練習日誌・スペイン体験談

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2005年2月26日 (土) なかなかペースが上がらず

　今日はトラックで2分レストの300m×5を実施。晴れていたが先週以上に寒く、風も出ていた中で55～56秒を目標にスタート。1本目は57秒とさほど悪くないが、その後は57、56、58、57秒とペースが上がらない。現状では精一杯の状態だが、400mの専門練習に入る前までには何とか平均55秒でこなしたいもの。一方でレストを長く取って800mペース×5というパターンも考えており、一度試してみようかとも思っている。以前行った時はこちらのメニューも決して楽ではなく、より速いペースで今日の内容と同レベルの負荷がかけられると思われる。

2005年2月23日 (水) 寒い中何とか練習

　月曜の夜は0℃まで冷え込み、家から離れている300m坂コースまで行くのが億劫だったため、近くのロードで200m×3を行った。このコースも坂だが、300mコースよりは緩く、より平地に近い感覚で走れると思った。実際その通りで、タイムは32秒8・33秒3・33秒2と平地プラス2秒程度の落ち込み。レストはコースを下って戻って2分30秒位で、同じペースでの7分レストの平地300m×２と同じ位の負荷であった。終了後は脚にやや乳酸が蓄積する状態である。このスピードで走るとピッチをより意識するため、ややもすると摺り足のような動きになってしまう。今回はそうならないように、脚の引き付けと大きな腕振りも同時に意識して、ある程度ストライドを確保したフォームになるように心掛けた。これはスプリントスピードでのランニングにも大きく影響する点だろう。

2005年2月19日 (土) 今週からペースアップ

　今週から冬練も次の段階にステップアップ。まず火曜日には、緩やかな坂コースで300m×2を実施。夜でも出来る場所を探していたが、人通りが無く照明も十分明るいコースを何とか見つけ出した。ペースは全力の9割位で、フォームもスプリントに近くなってくるが、着地の感覚がまだ800mに近い状態である。7分レストでタイムは52秒4と53秒8。坂の勾配が緩いので平地と同じフォームで走れるが、やはり後半の負担は大きく、終了後は左ふくらはぎをつってしまった。それでもこの練習は一定ペースで走る事が目標なので、後半も意識してペースを維持するよう心掛けたい。
　今日はトラックで300m×5（2分レスト）を行ったが、先にトラックでの300m9割走のタイムを確認。47秒1とアップシューズの割には時期的にも良いタイムである。そして火曜日の坂コースでは、5秒プラスという事を考慮すれば良いと分かった。20分後に300m×5を開始したが、1本目が53秒台と思わぬハイペース。2本目以降の反動は大きく、57、58、59秒と失速。ラストは58秒と気合いで維持し、かろうじて5本こなした。このメニューは10本の半分だから楽などという事は全然無く、レストの2分間もあっという間に過ぎていくが、400mの専門練習にスムーズに入れるためにも頑張って継続していきたい。

2005年2月15日 (火) マドリッド室内選手権出場記～Part2

　さて今大会は正式には「マドリッド室内選手権・成人の部」と呼ぶようである。20歳以上が対象となっており、種目によっては高校生の参加も認めている。スペインでは年齢によって大会が分けられており、日本に当てはめると小学生・中学生・高校生・成人・ベテランズ（マスターズ）という区分けになる。そして後日いずれも別々に室内選手権が行われる。なおスペインの選手は、学校単位でのクラブではなく日本で言うようなクラブチームに所属している。よってクラブ内の年齢層もまちまちである。
　
　この大会はマドリッドの冬の大会では一番大規模なはずだが、スタンドにはそれ程観客がいなかった。特に2日目の混成競技の日は観客数十人で、練習会並の寂しさである。雰囲気ものんびりしていて、砲丸投げのベンチに子供を連れ込む選手や、競技の終わった高跳のマットで遊ぶ子供までおり、「マドリッド冬期運動会」と呼んだ方が的確かも知れない。選手権と言うからには、運営もしっかりしていてある程度緊張感のある大会だと思っていたのだが。また競技中も、コースを横切ったり走っている選手のすぐ脇でアップをしたり。日本だったらサングラスをかけた怖い先生がやって来てパンチ、という場面だが全く問題無し。とにかく全てに渡って選手権の雰囲気とは程遠かった。勿論競技中はどの選手も真剣だが、終わればスタンドの家族や友人と楽しく会話しており、「大会そのものを楽しむ」というスペイン独特の雰囲気がそのまま出ていた。
　
　そんな中で、2日目の女子混成競技中に若いコーチが強い口調で役員に何か訴えていた。よく聞き取れなかったが、3分間がどうとか、彼女達はまだ若い選手なんだからとか言っている。おそらく競技間の休憩時間を巡って抗議しているようだった。その後審判が「20分後に800mを開始」と選手に告げていたので、やはり800mまでの時間が短過ぎる事に抗議していたようだ。この審判は服装や年齢からして連盟の上役の様だったが、コーチは全く怯まずに選手の為に訴えていた。日本で若いコーチがここまではっきり抗議するのは難しいが、言うべき事は例え誰が相手でもしっかり言う、というスペイン人気質をここでも見る事が出来た。

　ところでこの混成競技は、女子は「60mハードル・高跳び・砲丸・幅跳び・800m（もしくは600m）」だったが、男子は「60mハードル・棒高跳び・1000m」というユニークな組み合わせ。日本では混成競技への一般選手の参加はなかなか難しいが、男子の方は40台の選手も参加していた。ハードル走はおっかなびっくり、棒高跳びも初めての様で結局記録無しだったが、最後の1000mまで走り通していた。おそらくロードレースランナーだと思われるが、このチャレンジ精神は素晴らしく、終始競技を楽しんでいるようだった。ちなみに男子の方は6人参加で、一人突出した選手がいたものの、彼も棒高跳びで4mは跳べず他の選手も初心者同様。とても選手権と呼べるレベルではなかったが、本当に楽しそうで私も参加したくなるような雰囲気だった。一方の女子の方はなかなかのレベルで、高跳びではトップは170cmを跳んでいたし、幅跳びも5m前後の記録が出ていた。

　この様な選手権であった訳だが、例え部外者でも一緒に楽しもうと言うのは少なくとも日本ではあり得ない事で、ある意味で予想とは正反対の大会を楽しんで来る事が出来た。私自身は試合独特の緊張感は好きなのだが、今回のような雰囲気も悪くはない。夏には屋外選手権もあるようなので、また是非参加するつもりである。

2005年2月13日 (日) マドリッド室内選手権出場記～Part1

　12日にマドリッド室内選手権の3000mに出場。昨年12月に室内200mレースを予定していたが、肉離れでキャンセル。それではという事でこの大会に申し込んだのだが、会場の都合で別の室内トラックと屋外トラックで実施される事になった。多くのトラック種目と同様に3000mレースも屋外だったが、気温20度近い陽気だったので、屋外でもまあ問題は無し。という訳で室内レース出場はまた夢と消えてしまったが、7か月ぶりに試合出場出来る嬉しさが大きく、この日を楽しみにしていた。実際の試合の様子は、日本での○○選手権とは余りにも異なる雰囲気。その辺りも是非紹介したいので、レースの様子を書いたパート1と選手権全体の様子を述べたパート2に分けて掲載する。

　3000mレースは初日の最終種目で、午後2時頃の開始。むしろ汗ばむような時間帯で、レースには丁度良いと思えた。ちなみにスパイクではなくロード用の軽いシューズで臨んだが、他の多くのランナーもそうだった。参加者は15人程で、私より年長のランナーも何人かいた。レース展開は「前半から積極的に」と決めており、スタート直後から速い入りを意識したがすでに最下位の位置。それでも400m通過は81秒で無理をしていないのに余りにも速い。その後ややペースを落とすも1000m通過が3分37秒と、これも予定より10秒以上速かった。この時点でやや苦しかったが、記録が出そうなペースでもあるので何とかリズムは維持しようと頑張る。しかし中盤1000mが4分16秒かかり、周回遅れは勿論の事、前との差も開く一方。非常に苦しいが、このままのペースでは12分を切れないのは分かっていたので、ラスト1000mは泣き走り全開で行く事にした。このビリ独走の日本人ランナーを見て、スタンドの観客やトラックの選手も「頑張れ！」と声を掛けてくれた。既に前走者は200m先にゴールしていたが、「12分切りは絶対に」という意気込みは捨てず、ラスト200mは渾身の涙を見せて11分56秒台（自己計測、正式タイムは11分57秒2）でゴール。12分は間違いなく切っていると確信すると共に、久々の苦しいレースにトラックに大の字で横になった。

　結果的には最初の1000mが速すぎたのだが、慣れていないだけに練習との感覚の差をつかむのが難しかった。実際練習の1000m×3で、トラックでレースペースで走っても1本目で3分40秒を切る事は無い。体が軽く試合独特の雰囲気があったとは言え、頭に全くなかったペースで入ってしまった反動はやはり大きい。見方を変えると、1月中の300mインターバルと4キロ走で1000m3分40秒ペースを楽に出せる力は身に付いて来たが、それを維持する力は不足していたと言えるだろう。それでも前半抑えてしまって記録が悪いパターンよりは達成感がずっと大きく、今回のレースも後悔はしていない。練習結果から12分切りが妥当なところかと思っていただけに、何とか目標達成出来た訳で一安心でもある。そして、久しぶりにレース参加が出来た達成感が大きかった事は言うまでもない。

　後日、選手権の様子をパート2として紹介します。

2005年2月8日 (火) レース前最後の練習

　昨日はマドリッドには非常に珍しく、一日雨模様。夜には上がったので、予定通り3000mレース前の最終練習を行った。先週に続いて5分レストのロードでの1キロ×3で3分55秒を目標にしていたが、1本目から4分4秒と上がらない。その後も3分58秒、4分2秒で結局平均4分が切れなかった。タイムはビルドアップのようになっているが、1本目からレースのつもりで積極的に入った。そのせいか3本目は目一杯の状態だった。
　どういう状態であれレース本番では記録狙いで走る事は変わりないので、最初の1000mが鍵になるだろう。前回11分37秒で走った時は、3分47秒・4分2秒・3分48秒というラップで、他の長距離レースと同様に中盤落ち込んでもラストは上がっている。この時は短距離練習だけなのにあまり苦しまずに走り切ってしまったが、短距離でもベスト記録を連発した頃で相当体調も良かったと思われる。今回この再現は難しいだろうが、日が空いて疲労の無い状態で臨めるし、レース独特の雰囲気で速く走れるようになる事を期待したい。とにかく「前半から突っ込み、後半は泣いて走る」でいきたいと思う。

2005年2月5日 (土) ペースアップも6本で力尽きた300mインターバル

　今日も300mトラックで2分レストのインターバルを行った。先週まで60秒で10本を2度こなせているので、今日からペースアップして行う事にした。5本目までは56、56、57、57、56秒と目標通りのペースも、6本目は62秒と完全にペースダウンしたのでここで終了。その後かなり酸欠に陥り、とても続けられる状態ではなかった。2年前の冬練でも、5本を出来る限り速いペースで行って平均54秒まで持って行ったので、休日の練習として今後は5本に固定して行っていく。
　当時は3月に1500mレース出場するためその兼ね合いで行ったメニューであるが、その後のスプリント練習にスムーズに入る事が出来た。やはり400mのための基礎練習としても効果的だと考えられるので、しばらく続けて行きたい。

2005年2月4日 (金) スペイン語でお礼を言う時

　この間、研究所の受付の男性に日本語で「こんにちは」と挨拶されました。この「こんにちは」は「ありがとう」と並んでスペインでは最も有名な日本語で、かなりの人が知っています。
　私達日本人は英語で「ありがとう」と言う時に、日本語の感覚で「I am sorry」と言ってしまうというのはよく聞く話です。例えば何か手間をかけさせた場合、「どうも申し訳ありません」という気持ちから、ついそう言ってしまうのだと思います。スペイン語でお礼を言う時は「Gracias（ありがとう）」と言いますが、手間をかけさせて申し訳ないという気持ちを出したい場合には、「Perdon（すみません）」を非常によく使います。これは日本人の感覚とよく似ている点だと思います。ちなみにこのPerdonは「ペルドン」と発音し、英語のpardonに相当する言葉ですが、本来はI am sorryと同じ意味です。他にも道を空けてもらう時や相手の話を聞き返す時にも使われ、いずれの場合もやはり「申し訳ないんですが」という気持ちがこもっています。しかし私自身こちらに来るまでは、Perdonは英語のI am sorryと全く同じだと考えていたため、お礼を言う場合は使うべきではないだろうと思っていました。
　基本的には英語の発想に近いスペイン語ですが、日本語の感覚に近い部分もあるというのは興味深いですね。スペイン人は自己主張が強く大雑把な性格という印象ですが、状況によっては「ちょっとごめんね」という気持ちはやはり持っているはずです。それがGraciasとPerdonの違いとなって現れて来るのでしょう。

2005年2月1日 (火) ロードで1キロ×3

　昨日は来週末の3000mレースに向けて、1キロ×3を5分レストのレースペースで行った。3本とも3分55秒位と見ていたが、3分59秒・4分3秒・3分59秒で平均4分が切れず予想以上に苦しんだ。トラックで行うとトータルで20秒は速くなるが、そうすると現在3000mは12分をやっと切れるという状態。昨年10キロレースに出ていた頃はこのロードでも平均3分55秒は切っていたが、当時4.5キロ走は20分を切っており、現在よりはるかに走力が上。確かに去年と比較すると見劣りしてしまうが、現在の力としては妥当なところか。ただレースの序盤・中盤・ラストを意識して行い、ペース確認が出来たという点では良かったと思う。来週も3分55秒を目標ラインにして行いたい。