練習日誌・スペイン体験談

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2005年7月28日 (木) 新たな契約先を探して

　今回は、21日の今季最終レースについてレポートする予定でしたが、今後の私自身の事についてコメントしたいと思います。という訳で、出場記はまた後日に掲載します。

　現在の私の給料は、教授がスペイン政府から取って来た奨学金（フェローシップとも言います）になります。どこの国に研究留学する場合も、殆どの場合はこういった奨学金が給料となります。まれに自費留学というケースがありますが、それは特別ですね。奨学金留学の場合、一般的に2年から5年契約という事が多く、契約が切れれば帰国するのが大半です。さらに残る場合は、奨学金の延長や新たな契約先の確保が必要となります。留学先での実績が優れていれば、常勤の研究員として残る事が出来ますが、それは非常に難しい事ですね。

　私の場合、現時点では論文が出来るデーターが無いので、現在もらっている奨学金を更新する事が出来ませんでした。やはり実績がものを言う世界ですから。そこで新たな契約先を探している訳ですが、この場合も論文を沢山持っている方がやはり有利になります。私はこの2年間での論文は無いものの、日本そしてスペインで身に付けた技術をアピールすれば可能性ゼロではありません。具体的な探し方ですが、研究員公募に対して「メール出しまくり作戦」ということになります。勿論教授も手助けしてはくれますが、必ずしも知り合いの研究員が奨学金を持っているとは限らないので、実際には何十通もメールを出さないといけないですね。逆に公募を公開していなくても奨学金を確保している研究室もあるので、興味があればそういった研究室にもメールを送ってみる事になります。実は現在所属している研究室は、沢山出したメールの中で唯一返事のあった場所でした。運良く決まった事になりますが、今後次の契約先が決まるのも、運による部分が大きいと思います。

　私自身は出来るだけ長くスペインで研究生活をしたいのですが、教授は賛成していません。それはスペインで外国人が長期間研究するのは難しい事、日本に戻った方が就職の機会も多い事を挙げているからです。特に「日本の方が高い生活レベルを確保出来るので、生活レベルを下げてまでスペインに残るべきではない」と言う点を強調していました。しかし私自身はそれ程差を感じておらず、生活状態が少し落ちてもスペインでの生活には魅力を感じています。この辺りの感覚は人それぞれでしょう。私もかねてからスペインにはもうしばらく残りたいと言って来ましたので、教授も「それならば」ということで現在は協力的ではあります。

　確かに日本に戻れば、研究以外での仕事を含めて就職の機会が多いのは当然の事です。生活上での不自由もありませんから、「海外生活に比べれば楽」とは言えます。ただ私は上述したように、海外での生活というものに魅力を感じているので、多少の不自由や犠牲はマイナスだとは考えていないのです。そういう訳で、これからしばらくは次の契約先を探して諦めず頑張りたいと思います。
　

2005年7月19日 (火) 今季最終レースに向けて

　日曜は、21日の400mレースに向けての最終調整。800mレースのダメージは予想外に大きく、中2日でも少し筋肉痛が残っていたので、レース前半ペースの200mを1本だけにした。前半は向い風が強かったが、後半うまくスピードに乗って27秒5の好タイム。本番では後半200mは30秒フラットではカバー出来そうなので、ぎりぎり57秒55の自己ベストを更新出来る位置にいるだろう。先週の600m走と800mレースも、持久力養成練習の一貫としては良い内容だったと言えるので、21日は今季一番のレースが出来ると信じてラストチャンスをものにしたい。

2005年7月16日 (土) マドリッドでは初の800m参戦

　14日のレースは2年振り3回目の800m。9日の練習で走った600mトライアルが1分40秒と意外にも好調で、800mなら2分20秒が切れそうな状態。そこで100m出場を変更して800m2分20秒切りを目指す事にした。

　今回は、昨年200mでマドリッドデビュー戦を飾ったトラックでのレース。また夜の開催だったが、ゆうに気温30度は越えていた。それでもいつものように湿度が低く不快感はないので、脱水にだけ気を付けるようにした。男子800mは何と7組あり、各組ともオープンレーンからのスタート。さすが中距離がさかんなスペインというところだろうか。私は5組目で、結果的に遅いランナーはこの組に集められていたようだ。他の組では2分を切るタイムがかなり出ていた。

　そしていよいよ私の番になり、スタートラインに付く。隣にいた少年にタイムを聞いてみると、2分20秒という事。彼が目標になるかなと思いながら、スタートを切った。最初の200mはやや速めに入るつもりでいたが最下位、しかし前のランナーがかなり飛ばしていると思ったので無理に抜かなかった。ところが200mは35秒と思った以上に遅い。2年前のレースではここでペースを上げて中盤潰れたので、今回はそのままペースを維持して前のランナーに付いて行く事にした。こうして400mは70秒で通過。500m位になると前の3人のペースが落ち始める。私も乳酸が溜まり始めてかなり苦しかったが、ここは行くしかないだろうとバックストレートで彼らを抜き去った。600mは1分46秒で2分20秒は無理な状態も、自己新は射程圏内なので400mの後半のつもりで踏んばる。ラスト100mに入るとスタート前に話しかけた少年に追い付きそうになり、彼も抜いてしまおうと涙のホームストレートを見せるが逃げ切られた。そして最後は止まりそうになってゴールイン。

　ゴール後少し経ってから押した時計を見ると2分25秒台。大きくても2秒位の開きと見ていたので、この時点では自己ベストを諦めていた。しばらくして正式タイムを確認してみると2分22秒75、わずか0.2秒だが記録更新しており、少し救われた気分になった。結果的には後半の踏んばり所で他のランナーと競り合いになったのが、功を奏したようである。実際500m地点で余裕は無く、もし競り合う相手がいなければ後半400mは75秒はかかっていただろう。そして後半は持てる力をほぼ出し切ったせいか、レース後は30分呼吸が治まらず、400mレース以上に死んだ状態であった。

　さて今回の35+35+36+36秒というラップを見ると、例えば前半が32+35秒＝67秒ならサブ20を果たせたようにも見える。実際この位のペースを予定していたのだが、後半の余裕度から考えて現時点で67秒+72秒や65秒+74秒というラップは不可能で、結局どういうペース配分で走っても今回と同じタイムにしかならないように思われる。これは実際に走った私自身の状態から判断しているのだが、800mは経験が浅いので断定出来る程ではない。出来れば他の方の判断も仰ぎたいところである。また練習の600mのタイムからすれば800m2分22秒は見劣りするが、やはり短距離選手の場合は差し引いて評価する必要があるのだろうか。

　そういう訳でサブ20は果たせなかったが、200mに続く海外での自己ベスト更新である事は間違いない。そして200m、800mと来てメインの400mで自己ベストを出さない訳には行かない。21日が今季最終レースと時間が無いが、何とかベストを尽くせるように頑張りたい。

2005年7月13日 (水) 800mのペースチェック

　明日の800mレースに向けての最終調整として、月曜にレース前半ペースで公園コースの300mを1本走った。リラックスしてスーッと加速していく感じでスタートし52秒9。200m通過は34秒台だったので、そのまま400m走ったら71秒位だろうか。タータントラックでは300m通過が2秒速くなると予想しても、2分20秒を切るペースとしては悪くないだろう。
　そうは言っても滅多に走らない800m。前半オーバーペースで後半ずっと泣いて走るとか、逆に余力を残し過ぎてゴールという結果は十分考えられる。むしろ上手く走れて記録が出たら儲けものと考えると、あまり固くならずに参加出来そうである。

2005年7月10日 (日) スペインの変な法律

　スペインでは、未成年者のタバコや酒類の購入が禁止されており、当然彼らに売る事も禁じられています。これは日本と同じなのですが、実は喫煙や飲酒自体は違法ではないのです。どういう事かと言うと、例えば子供がタバコを吸っていても、それが拾ったものであれば問題ないという事になります。実際道端で中学生ぐらいの少年が喫煙しているのを見かけますが、他人は勿論警察官でも注意する事はないという事です。ちなみにマリファナに関しても購入は禁止ですが吸うのは違法ではなく、研究所の学生が吸っているのをたまに見かけます。
　
　スペインには酒類の自動販売機は存在せず、タバコの販売機も店の中にしかありません。未成年者の購入を避けるためですが、喫煙や飲酒自体は問題なしというのは理解出来ませんよね。これはスペイン人でもおかしいと思っている人は多いようです。どう頭を捻っても、吸うのはOKだが買うのは駄目であるという利点は見つかりません。

　またスペインでは自転車に乗る際にはヘルメット着用が義務つけられており、しばしば警察官が注意するようです。しかし歩行者の信号無視はとがめられず（違法かどうかは不明）、私も警官の目の前で何度もわざと信号無視をしていますが、何も言われません。まあ自転車のヘルメット着用は、安全面の上からも分からないでもないですね。

　このように法律上の解釈のあり方が日本と異なるのですが、国が違えば解釈も様々、と割り切ってしまうのが一番かと思われますね。

2005年7月9日 (土) 初の600mトライアル

　今日はトラックで600mトライアルを実施。4月以降400mレースペースのみの練習になっており、変化を持たせる意味で今まで行った事の無いオーバーディスタンストレーニングに挑戦してみた。かつて800mレース前にレースペースで河川敷コースを走った時は1分44秒位で、今回は1分40秒を目標にしたが、とにかく適正ペースが分からない。そこで4年前に行っていた550m走のペースを思い出し、800mレースペースより突っ込んだ感じでスタートしてみた。300mの通過は48秒台でややオーバーペースにも思えたが、その後も何とか頑張る。ラスト150mは膝が笑う位に踏んばりが効かなくなったが、泣きながらもがいて1分40秒3でゴール。いつも通り単独走ながら、目標タイムを達成した。この後は500mを80秒の予定だったが、疲労が大きく600mのペースより落ちそうな気がしたので、400mに変更して45分後にスタート。前半を30秒8で通過し、62秒1とほぼイーブンペースで走り切ったが、ラストにかなり余裕があり前半はもう少し突っ込めた感じ。そうすれば目標の60秒フラットは行けそうである。結果論だが、500m80秒も行けたと思われる。
　今日の結果から、800mは2分20秒は切れそうな状態。14日のレースは800mもあり、当日になって申し込み出来るので、参加を検討中である。

2005年7月2日 (土) モチベーションアップを目指して

　先月のマドリッド選手権以来、どうも練習への意欲が欠けていたが、トレーニングを始めてしまえば集中して行えるので、今週も予定通り平日1回と今日練習した。
　平日は公園内の坂コースで追い風の下200m×3。スピードが出るようにとロードレースの軽いシューズで走り、そのせいか1本目は30秒4のコースベスト。しかしオーバーペースだったようで、その後は33秒2・34秒0と2本目が落ち込み過ぎ。200mのスピードが付いている状態なので、同じ感覚でも突っ込み過ぎになっていたのかも知れない。
　今日はトラックで400mハードルのためのハードル練習の予定だったが、許可書が必要との事で借りられず。外に置いてあった1台も壊れており、先週に続いて300+200m（90秒レスト）を実施した。最初の300mは後半の風の影響か43秒5と予定よりまた1秒遅い。+200mは30秒6だが、前回と同じ58秒台しか出ないペース。これも300mは前半がオーバーペースになっていて遅くなっているのかもと思い、50分後の2セット目は加速をやや緩めにしてみた。やや疲労は残っているがまずまずスムーズで44秒1+30秒8にとどめ、2セット目では最高タイム。来週は1セット目でこのパターンを試してみて、300mのタイムアップが図れるかどうか確かめてみたい。