練習日誌・スペイン体験談

練習日誌・スペイン体験談のページです

2005年9月30日 (金) 今週はアパート探しでヘロヘロ

　今日の夜、2年間暮らしたアパートを引っ越します。元々私が来る前に別の人が住んでおり、この9月までの2年間だけという事で借りていました。しかし半年間仕事の契約期間を延長したため、来年3月まで現在のアパートに居たいという事を電話で伝えました。その時は了解してもらえたと思っていたのですが、相手にきちんと伝わっておらず、先週直接話し合って急遽新しいアパート探しを始めました。荷物は少ないので引っ越し自体は問題ないのですが、やはり時間がないのがネックでした。
　
　色々と探してみて、独り暮らしが出来て家具や電化製品も揃っている所では大学の学生寮が一番安い物件です。日本円で6万円になりますが、他のアパートは8～9万円でいわゆる敷金が3ヶ月分（学生寮は2ヶ月分）という事を考えると、やはり学生寮が一番です。ただ現在空き部屋が無く2週間ほど待たないといけないという事で、その間の仮部屋を探す必要がありました。あいにく教授はまだ夏休み中で戻って来ておらず、一時滞在出来る他の施設を当たってみました。しかし2週間だと10万円近くの費用がかかるため、共同部屋のアパートを探すしかないと思っていたところ、先日の国際交流カフェで知り合った日本人のるいさんから「来ても良い」という話がありました。最初は冗談かと思ったのですが、本当に置いていただけると言う事なので、ぎりぎり水曜日の夜に決定しました。るいさんのアパートはマドリッドのまさに中心街にあるため大学からは少し離れますが、短期間なら全く問題無しです。そういう訳で、しばらくの間るいさん宅に居候させて頂く事になります。
　
　こういういきさつでして、決していやらしい雰囲気が漂っている訳ではありません。よってスペインに向けてミサイルだけは飛ばさないで下さい。

2005年9月22日 (木) 土曜日は200mトラックで1マイルレース

　月曜は夜300mトラックで練習。週末の1マイルレースに向けてということで、トライアルとペースチェックを兼ねて1200+300m（レスト1分）を初実施。今まで1500mも含めて2周目の落ち込み以上に3周目以降が失速するパターンで、2周目は気持ち抑える感じで後半のスパートに備えた方がいいのではと思うようになってきた。早速それを試してみたが、4分15秒+56秒でそのまま1500m走っても5分15秒は行ける内容。1200mは300mごとに56+65+67+66秒で、ちょっと2周目で落とし過ぎの感もあるが、中盤維持してラストに備える形としてはまずまず上手くいったと言えよう。週末の1マイルは200mトラックでのレースになるので、77+85+85+83秒=5分30秒を目標に頑張ってみたい。

2005年9月20日 (火) 1マイルレース第2戦参加記

　17日は1マイルレース2戦目。旅行中からお尻の具合が悪く、今回も前日まで出場は諦めていたが、当日は何とか回復。レース前に2回練習出来ていたし他に悪いところは無かったので、とりあえず会場に向った。今回も街中の狭い道路での開催で、ほぼ平地ながら3往復というコース。気温は少し低く、夕方からの開催とあって半袖だと肌寒いコンディションだったが、レースには絶好の状態。沿道には沢山の人がおり、盛り上がった雰囲気であった。

　今回私は「一般成年男子」のカテゴリー。ちなみに一番速い組は1500m４分以内の選抜グループだった。私の組は25人位で速そうなランナーばかりだったが、気負わずにスタート。前回同様に最初からいきなり最下位の位置だったが、前とは殆ど離れずくっ付いていくような感じだった。3分の1にあたる568mが1分４８秒の通過、無理は無くまずまずのペースである。中盤に入ると前の5人位が私に先立って涙を見せ始めたので、徐々に抜いていく。次の568mは1分54秒でペースダウンはしているが、この時点では最後まで粘れそうな気がした。しかし終盤は乳酸が溜まってきてペースが維持出来ず、ラストでもスパートする事が出来なかった。最後の568mは2分４秒かかり、完全泣き走り状態となってゴール。タイムは5分47秒で前回より３０秒落ちだが、計６ケ所の折り返しの度に止まるような感じで、平地コースとは言え相当タイムロスしているようだ。一番速い選抜グループで1500mのタイム+30秒位で、逆に考えると私は現在1500m は5分一桁がやっとといったところ。まあこれは予想範囲内だが、とにかく１マイルレースであの急激な折り返しは勘弁してもらいたいものである。
　
　ところで、シューズに漢字で「速」と書かれたランナーがいたので話し掛けてみた。私が説明するまで意味は分からなかったそうだが、彼の1500mの持ちタイムは何と3分41秒。すでにベテランでかなり前の記録らしいが、いくらスペインの中距離のレベルが高くても、このタイムは凄すぎる。今回はベテランの部で優勝していたが、現在４分そこそこのタイムだと仮定しても楽勝である。ちなみに顔が何となくフェルミン・カチョに似ていた。
　
　2度目の1マイルレースはラストで死んでしまったが、これに懲りず来週と再来週も出場予定である。結構いや完全にはまってしまった1マイル、記録もさる事ながら大勢の観客の中で走れるのはやはり楽しいものである。何と言っても全てのレースで参加費ゼロで、こういう計らいがスペインのランニング人口を増やしているとも考えられる。

2005年9月15日 (木) 滞在2年後にして国際交流パーティーに参加

　昨日の夜、マドリッド中心街のカフェテリアで行われた国際交流パーティーに参加しました。パーティーといっても全く形式張ったものではなく、色々な国から来た人たちとビールなどを飲みながら楽しく会話をするというものです。英語では「exchange」と呼ばれ、直訳すると「交換」という意味になりますが、一般的には外国語上達のために色々な人と話題を交換し合うという目的があります。
　私はマドリッドに来てちょうど2年になりますが、まだまだスペイン語は上達させたいと思ってきました。研究所内での会話もマンネリ化、それでも語学学校に通うのはお金がかかるし今さら、という気がしてしました。そこでインターネットで検索してみたところ、毎週水曜日の夜9時半に今回の催しがある事が分かり、早速参加する事にしたのです。
　入ってみるとマネージャー役のスペイン人がすぐに他の人を紹介してくれ、何の問題も無く話の輪の中に入れました。スペインでは元々カフェテリアやバーでワイワイと楽しく語り合うのが普通で、これがこのパーティにも反映されていました。これはやはり、参加費が高く少し堅苦しいパーティー形式になりがちな日本の国際交流イベントとは非常に異なる点ですね。参加者は近くに住んでいるスペイン人が多かったのですが、他にもイギリス人・フランス人・ドイツ人・南米人、そしてオーケストラの団員をしているという日本人女性と多国籍に溢れていました。お互いの自己紹介から始まって、文化の事や日本語の文字についての話など楽しく会話出来ました。実際ヨーロッパ人から見ると漢字やひらがなは不思議に思えるようで、例えば一つの漢字がいくつもの意味や読み方を有するということを説明すると、皆驚いている様子でした。
　前述の日本人女性（るいさん）はビオラを演奏しているそうで、スペインに来る前はフランスで活動していたとの事。スペイン語・フランス語・英語が話せるという強者です。ちなみに彼女と1対1で話す時は日本語でしたが、他の人を交える時はスペイン語でした。私自身、日本人とスペイン語で会話するのは初めての経験で少し照れくさかったのですが、「英語よりもスペイン語の方が発音しやすい」というのは彼女も同じ意見でした。
　こういう感じで時間はあっという間に過ぎ、私を含めた5人（るいさんは先に帰った）は夜中の2時まで過ごしていました。今回は英語上達を目的に来ているスペイン人とも少し話したので、スペイン語・英語そして日本語入りまじりでの会話を楽しむ事が出来ました。ちなみに出入りは勿論飲食も自由で、何も注文しなくても問題なし。テーブルに座りっぱなしという事もないので、誰とでも話が出来ます。よって気軽に国際交流するという点では最高の場のように思えます。例え片言しか話せなくても、皆がパーティの主旨を理解していますから、自分から積極的に参加する姿勢があれば全くOKです。夜9時半からの開始で仕事帰りには丁度良く、是非来週も参加したいと思っています。

　なお今回の参加目的は、「色んな女の子と友達になれたらいーな～」などという不純な理由では決して無いとは言えないが、全面的に否定出来るものでもないとも言い難い、と思っています。

2005年9月4日 (日) 1マイルレース参戦記・その2～レースの雰囲気

　昨日の1マイルレースは、町中のかなり狭い道路で行われたが、道端には多くの観客がいて声援を送っていた。レース中は常に声を掛けられて、ちょっぴりオリンピックのマラソン選手になった様な気分。会場が狭いことも加え、異常に盛り上がっている様な雰囲気を出していた。特に私の場合は嫌でも目立つので、「中国人ランナー」として歓声を浴び続けた。また各カテゴリーの優勝者にはインタビュー（会場内だけの）があったが、私のところには来なかった。もし来たら、「今日は得意の泣き走りを見せておきました。なぜ泣くのかって？そりゃ全力を尽くすのが当然ですよ、日本では。という訳で私は日本人なので、よーく指導しておくように」と言っておいただろう。

　今回はロードレースなので、様々な年齢層の人が参加していた。ただ男女ともベテラン層や健康ジョガーの参加が少なかった。10キロと違い1マイルは相当のスピードレースになるので、ランニングが盛んなスペインとは言え、ジョギングを楽しんでいる人にとっては少し躊躇してしまうものなのかも知れない。一方で小さい子供は沢山参加しており、800mや400mと距離は短かったが、母親に手を繋がれて走る子などもいて楽しんでいる様子だった。1マイルを走るのは、日本で言うと小学校高学年以上の年齢からになるようだ。確かに小学生にとっては、1キロ以上は長距離走もしくは持久走そのものである。その小学校高学年のレースでは、格好からして飛び入りで参加した子供もかなりいたようで、何人かは歩いてゴールしていた。ただヘロヘロにはなっておらず、ちょっと無理そうだったので走るのを止めたという感じ。勿論「何歩いてんだ、このバカヤロー！！」とか「ワシはもう情けないぞ～！」とか言う恐い人はいなかった。代わりに私が持っていたサングラスをかけて言っても良かったが、泣かれると困るのでやめた（？）。中学生以上になると記録を狙って飛ばすランナーが多くなるが、それでもレースの前後ともリラックスしている様子で、「先生に走れって言われたので来ました」というのではなく、真の意味でランニングを楽しんでいると言える。

　今回は私が今まで参加した10キロレースよりも小規模なものであったが、スピード感ある1マイルレースとあってか盛況で、私自身も色々な人との交流が出来た。機会があれば、来年もこの大会に参加してみたい。
　

2005年9月3日 (土) 1マイルレース参戦記

　今日はマドリッド市内の1マイルレースに参加。距離は1609mという事だが、1500mと殆ど同じだし日本のロードではまず開催されない距離という事で、参加を楽しみにして来た。しかし昨晩に持病の痔が少し悪化してしまうハプニング。クリームを塗り込んで寝たせいか、起きた時には問題なかった。

　午前10時半の開催で、気温は30度は越えていたが、レース自体には問題ないコンディション。他の長距離レースと同様に、かなり細かくカテゴリーが分けられており、私は17～39歳の部で走る事に。後で分かったのだが、このカテゴリーは想像以上にハイレベルだった。最初は中学生位の女子が走っており、トップは5分35秒ほど。中学生男子だとトップは5分を切って来ているが、今日は上りと下りが交互に入る（同じ坂の折り返し）コースを4往復するコース。私は市内を1周するコースを想像していたのだが、このコースだと平地よりどのくらい速くなるのか少し判断が難しい。

　私の組は最後の方のスタート。コースから考えて、最初は1500mで言うと400m78秒位で入り、その後の下りは楽に、そして後半は泣いてラストの下りにつなげるという戦法で行く事にした。そして30人程のランナーが一斉にスタート。私は足が軽く快調な感じだったが、最初からビリ。前は明らかに速いペースであるが、とりあえずすぐ前の異常筋肉質体型のランナーから離れないように努める。最初の下りは飛ばし過ぎないようにし、後半の上り坂へ。この地点でかなり苦しく、最初の入りの時より12秒も落ちているが、すぐ前のランナーもペースダウンしている様なので、追い越す機会を伺いラストの下りに入る。「中国人、頑張れ！」と声援を背に、得意の泣き走りを展開する中国人。ラスト200mは3000mレース時ばりの涙のスパートを見せ黄色い大声援を受けるが、前には追い付けず結局最下位でゴール。しかしタイムは5分17秒（正式には5分18秒）と、何と1500m5分ペースを切っているではないか！全体では下りと上りの比率が同じで、平地よりタイムが出やすいのかもしれないが、全て下りのコースでもないのにこのタイムは本当に予想外。その反動かレース後の疲労度も半端ではなかったが、以前の1500mレースより上手くペースコントロール出来て、かつ全力を出し切れたレースだと言える。

　またいつも通りラップタイムも取ったのだが、スタートとゴール地点が違うので何メートルでのラップなのかが正確に分からない。ただ最初の上りの後半の上りのタイム差が12秒という事だけは確かである。それから想像すると、400m当たり78+78+90+72秒位になるか。平地の場合やトラックの1500mに換算すると難しいのだが、5分8秒のベストを破れる位の状態ではありそうだ。

　さて今回も何人かのランナーと話したが、以前トラックレースで会った16歳のアウグスチンも参加しており、5分10秒位で走っていた。本当に筋肉質で、10種競技の選手が1500mを走っているよう。またあるランナーには「300mトラックで何回か見かけた」と声をかけられた。40歳を越えているが、1500m4分20秒と鬼のレベルで確かに体型が違う。先日スペインで開催された世界マスターズに出場したそうで、今日は4分38秒で堂々のベテランおよび15～16歳の部（アウグスチンと同じ出走）優勝。その彼が言うには、「スペインの17～39歳の部というのは非常にハイレベルで、短距離選手なのにその中で善戦した」と言う事。そう言われると、最下位でもちょっと嬉しくなってしまう。ちなみに私の部の優勝タイムは4分1桁。市民ランナーのレベルで、スペインの中距離の層の厚さを改めて実感した。それから痔の方だが、レース中は問題なかったがその後また痛めてしまい、特に階段を下る時に痛みが走る。幸い出血はないので、排便時にはさらに注意をしていきたい。

　8月の間、専門練習はせずに持久走とスプリント練習でこのレースに備えて来たが、持久力は3000mレースを走った時より良く、スプリント力も今季最高に近かった。そういう意味では、1マイルレースを走るだけの自力は付いていたようである。また1マイルレースに出るのも良いが、このスピードを10キロに活かせばこちらでも記録更新出来そうなので、また今後のプランを考えていきたい。またレース会場の様子をデジカメで撮ったので、後日公表したいと思う。

2005年8月31日 (水) レースペースで1キロ

　先週土曜は300mトラックが閉まっており、公園コースの坂で400mペースでの150m×3を実施。150m歩きのレストで22秒8・23秒3・22秒9、タイムはまずまずで頑張れば2セット目も出来そうであった。
　月曜は寝不足で脚が張っていたもののやる気は十分、1マイルレースの最終調整としてロードでレースペースの1キロ×2（レスト15分）を行った。それぞれ3分37秒と3分33秒、いずれも前後半で5秒の落ち込みで目一杯に近い状態。2月の3000mレースの時は、最初の1000mがこのコースの練習タイムより20秒も速かった。今回は同じロードという事を考慮しても、10秒位速くなる可能性はある。いずれにせよ中盤でかなり苦しくなるレース展開になりそうだが、あくまで記録を狙って走るので1500m同様に前半から積極的に入るレース運びをしたい。

2005年8月26日 (金) ぎりぎりでクリアした一つの段階

　私の現在の研究分野は分子生物学です。具体的には、生命現象を遺伝子とかタンパク質といった分子レベルで解析しようという分野です。研究内容を簡単に言うと、現在はあるタンパク質を人工的に細胞に発現させるための遺伝子を作っています。遺伝子を作るといっても生物系では一般的に行われている方法なので、特別凄い技術という事はありません。最終的には、このタンパク質の機能を調べるのが目的です。細胞に発現させるためには、例えて言うと「細胞内にタンパク質の素となる遺伝子を運ぶためのトラック（これも遺伝子）が必要」になります。この「トラックに搬送した遺伝子」を作るのに1年かかりましたが、実際には細胞に発現させる事が出来ませんでした。その後遺伝子を短くする改良を試みたものの、今度は遺伝子が上手く出来ず、この半年間は細胞に発現させる段階にすら到達しませんでした。このままでは全然先に進まないので、この1ヶ月間は別の方法で遺伝子を短くする事に努めていましたが、あっさりと2種類の遺伝子を作る事が出来ました。
　
　実は今まで「この方法なら絶対出来るはずだ」という強い先入観があり、これまでの失敗は私自身のテクニックに問題があるのだと思っていました。今回も「ちょっと方法をいじった位では変わらないのでは」という別の先入観があったのですが、結果的には劇的に変わってしまいました。

　既成の先入観を打ち破って大業績につなげた、なんていう話はよくあります。私の場合はそんな大それたレベルではないものの、「100回やって全て失敗」が「10回中8回成功」位の確率にまで上がったのは事実です。何より9月の夏休み前に完成させないと、10月以降の半年の契約延長期間内でまとまったデータを出すのは不可能になります。もし今回も遺伝子が出来なければ、本当に泣いてスペインを去る事になったでしょう。そういう意味では、土壇場で一つの段階をクリアし首がつながったと言えるので、これを一つの転機にしていきたいですね。

2005年8月24日 (水) 持久走で遂に今季ベスト

　月曜の4.5キロ走で、ついに今季ベストを達成。20分19秒と冬練ベストを20秒以上上回り、10キロ練習時のタイムを入れても3番目位（過去最高は19分57秒）。しかも週1回しか持久系トレを行っていない中でのタイムなので、私自身も驚いている。前半は先週以上に速く入り、結局そのリズムで後半も押していった感じ。以前にも書いたようにかなり追い込んだペースではあるが、10分レストでもう1本繰り返す事が出来そうなので、目一杯追い込んでいる訳ではない。1マイルレースも楽しみだが、その後は10キロレースでも記録が狙えそうな現状の出来である。

2005年8月20日 (土) 400mレースペースで300m41秒6！

　今週は火曜日に4.5キロの持久走を実施し、20分52秒とこのコースの向きでの今季ベストタイムを達成。前半2.2kmは9分46秒と前回より1分近く速く入るも、後半は5秒しか落ちなかった。来週はさらに10秒短縮し、逆向きでの今季ベスト20分42秒にチャレンジしたい。
　今日は気温30度と快適コンディションの中、300mトラックで練習。400mレースペースで300mを走り、意外にも前回のトライアルでのタイムを上回る41秒6で、トライアル目的以外では自己ベストタイム。これなら400mの自己ベストを破れるか？というタイムだが、前半は追い風に乗って軽快に飛ばしたものの、後半失速してゴール時点での余裕はほとんど無かった。このペースでは、ラストでどんなに泣いても辛うじて58秒台か。しかしオーバーペースとは言え、久しぶりに自分らしい走りが出来たのは調子が良いという事に他ならない。このところ1マイルレースペースとはかけ離れた練習メニューを行っているが、レースの為の基本スピードと持久力は良いと言えるだろう。

2005年8月18日 (木) 今年の夏休みは

　現在スペインは夏休みシーズン真っ最中で、一般の人でも2～3週間は休みを取ります。私の研究室は一斉に9月に3週間の夏休みとなりますが、9月になると旅行費が8月に比べずっと安くなるというのが理由の一つです。今年もどこかへ旅行しようかと考えているのですが、実は私は元々旅行好きではないのです。大学時代は夏休み、春休みと言えば野球部の練習で潰れていましたし、時間があっても積極的に遠出する事はありませんでした。それでもせっかくの休みなので、今年はスペイン南部を旅行しようと考えています。イタリアも候補地だったのですが、まだスペイン国内ではマドリッド近郊しか観光しておらず、コルドバやセビージャといった有名地の遺産はスペインにいるうちに見てみたいのと、スペイン国内ならホテルの予約も面倒でないという事が理由です。3ケ所を回るとして約1週間の旅行になると思いますが、丁度良いのではないかと思っています。後の2週間の予定は未定ですが、去年のトレド観光の様に思い付きで日帰り観光に出かけるかも知れません。または、10月の1マイルレースに向けて強化練習期間というのも良いですね。

2005年8月15日 (月) デートで核兵器問題について語る

　土曜日にメキシコ人留学生の女の子と食事をしたのですが、彼女が持っていた科学関係の雑誌に核兵器に関する特集が出ていました。先週は原爆投下から60年という事でしたが、スペインでもいくつかテレビで特別番組が放送されていました。
　今や核兵器は、国の軍事体勢を誇示するための威嚇として開発されているような感じがします。その国々が広島や長崎での惨劇をどの様に受け止めているかは分かりませんが、インドやアフリカ諸国など発展途上国と言えるような国でも所有している場合があります。世界の発展途上国の多くに言える事ですが、軍備に多額の資金を投資している反面、国民の生活は向上していない、むしろ悪化しているという矛盾点をかかえています。私の教授もインドへ行った事があるそうですが、富豪層の豪華な食事を見てびっくらこいたと言っています。食事に限らず、生活自体の極端な差、そして前述した軍備重視の国策等を考え併せると、我々の「途上国には温かい援助を」という善意は一体何なのかと考えたくなります。犠牲にすべき事は何か、当事国に考えてもらいたいものです。
　ちなみにメキシコは核兵器を保有するためのプロジェクトは持っておらず、軍隊も日本の自衛隊のような役割を果たしているそうです。メキシコは日本やヨーロッパに比べると経済問題が多いそうですが、南米の中では良い方だという事です。ちなみに科学分野では、意外にもキューバが一番優れているそうです。なお雑誌には、日本も核兵器を保有するだけの技術はある、と書いてありました。勿論日本の技術を持ってすればそれは可能ですが、唯一の被爆国である事は絶対に忘れてはいけません。いつの時代でも、理性が働いていれば今まで戦争など起こるはずがなかった訳ですが、国家間の争いで犠牲になるのは、最悪でも政治家一個人だけにしてもらいたいですね。

2005年8月13日 (土) 今週も持久走とスプリント練習

　火曜日に、先週のコースに400m足した4.5キロ走を実施。今回は前半やや抑えて後半上げるパターンを試してみたが、21分41秒とキロ5分は十分に切れた。後半は坂が続くので前半より少しペースアップしただけだが、たまにはペースに変化を付けて走るのも良いだろう。
　今日は公園コースで150mを3本（レスト10分+15分）。1本目はアップも兼ねて400m前半ペースで22秒5。その後は全力で21秒3・21秒7と、追い風があったもののほぼコースベストタイムと調子は良い。先週の300mトライアルと併せて考えて、現在は200mでは25秒台後半は出せるが400mでは59秒台という状態だろうか。過去の経験から、400mの専門練習をこなしていれば、スプリントシーズン中でも1500mはそこそこのタイムで走り切れる事が分かっている。ただ現在400mの専門練習は行っていないので、とりあえず持久走で対応して行きたい。

2005年8月7日 (日) スプリント力はまずまず

　今日は久しぶりに300mトラックに出向いてみた。150mを2～3本走るつもりでいたが、300mトライアルを1本行う事にした。無風の中42秒0と41秒台は出せなかったが、今季ベストが41秒3である事を考えると、それ程落ちている訳ではない。中距離でのスプリント力としては、1500mや1マイルで自己ベストを狙うには十分であろう。300m1本だけなら疲労が蓄積する事も無いので、8月中は後1回は全力もしくは400mレースペースで走ってみたい。他のスプリント練習と併せて、300mは42秒前後を維持したいものである。

2005年8月4日 (木) 持久力は冬練時と同レベル

　9月と10月にロードの1マイルレースがあるようなので、9月3日のレースに向けては専門練習はせずに、平日の持久走と休日のスプリント練習というメニューで臨む事にする。
　水曜日に早速4.1キロコースを走ってみて19分16秒。冬練時並の好タイムで、意外にも今年のセカンドベスト。やや追い込んだペース（10キロレース前半ペース）なので結構苦しかったが、半年振りの長距離練習の割には持久力はかなり良い。そう言えば以前3000mで11分37秒を記録した時はスプリント練習だけだったし、1500mのタイムトライアルは短距離シーズン中でも5分15秒位で走れていた。現状なら1500mレースで5分15秒は切れると思うので、専門練習無しでも9月の1マイルレースは5分40秒位は可能だろう。

2005年8月1日 (月) 今季最終トラックレース参戦記

　21日は今季最終レースとなる400mに参加。早いもので、もうスペインの屋外トラックシーズンは終了なのである。今回は2月に3000mを走った時と同じトラックだが、実は先日行われたマドリッド国際グランプリもここで行われた。去年開催されたメイン競技場が確保出来なかったらしいが、6レーンしかないしょぼいトラックでよく行ったものである。少なくとも、6月のマドリッド選手権で使用したトラックが確保出来なかったのだろうか。それでもラインがきれいに引き直されているなど、準備は周到だったようだ。

　この日は、研究室を出た午後6時の時点で気温40度！レース時の8時頃も30度はゆうに越えていたようだが、不快感は無かった。400mは計4組で私は最終組で一番アウトコース。自己ベストが出せれば組1着の可能性もあるだけに、少し期待した。バックストレートがやや追い風で、今回も前半は無理に突っ込まずに入る戦法で臨む事にした。

　そしてスタートを切る。前半は内側の選手に抜かれるも、楽に通過。中盤もなかなか良い感じで、ラストは今季レースの中では一番粘った形で4人中3位でゴールした。感覚的には57秒台を出した時と似ており好タイムを期待していたのだが、59秒22と聞いてがっかり。前半抜かれた選手が58秒台中盤だったので、予想外に前半が遅かった事になる。その結果後半粘れたという事になるが、逆に今までになく達成感の無いレースになってしまった。それでも今回と同じ作戦で5月には今季ベストの58秒11を出している訳で、体感とは裏腹に調子が落ちてしまっていたのかも知れない。このところの練習での300m+200mも今一つ上手く走れておらず、それがレースにも出てしまったようだ。最終戦でそういう結果になったのは残念だが、前半突っ込んでいてもどういう結果になったかは分からない。

　さて今回はトラック最終戦という事で、ある「儀式」を行った。スタート前に日本語で「お願いします！」そしてレース後に「有難うございました！！」と大声で叫んだのである。中高生がよく行う事だが、私は日本でも一度もやった事が無く、せいぜいスタート前に少し頭を下げる位である。日本の陸上競技というものを見せてやろう（？）と思ったのだが、気合いとは裏腹にタイムは涙の今季ワースト。ちなみに周りのスペイン人の反応はというと、少し驚いていたようではあった。この歳で日本でこれをやるのはかなり恥ずかしいが、今回はちょっと遊び心で叫んでみた。

　今季は400m56秒台を目指して来たシーズンだったが、58秒11がベストと結局57秒台も出せなかった。滑り出しが好調で、その後も新しい練習メニューを試して来たが、5・6月がピークでその後下降線を辿ってしまったようである。日本の様に春秋の2シーズン制ではなく、4月から3ヶ月に渡っていかに調子を上げていくかに苦心した訳で、これは来年の計画に活かしてしていきたい点である。それでもマドリッドでの陸上を楽しむことに徹した昨年と比べ、今季は明らかに攻めの姿勢で臨む事が出来たのは確か。それが200mでの4年振りの自己新につながった事は間違いない。9月以降はロードレースシーズンになるが、1マイルレースなどがあるようなので、少し休養してまた新たな目標に向って頑張ってみたい。