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練習日誌・スペイン体験談のページです

2007年12月22日 (土) クリスマスを前にして
 スペインもクリスマスシーズン真っ盛り、私はあいにく風邪を引いてしまっていますが、今年も24日の夜は教授宅のパーティに参加します。ところで昨日の夜に、二人の子供がアパートの部屋を訪ねて来たのですが、クリスマスなのでお金を少し欲しいという事。これは彼らが欲しいというより、おそらく親に言われて各家を回っているものと思われます。私は余り子供を傷つけないように、金持ちでもないしお金はあげられないと言って断りました。

 マドリッドでは、このように物乞いをするような人達を沢山見かけます。地下鉄の中や構内でも、楽器を演奏しては小銭を恵んでもらうという風景です。特にルーマニア人で仕事が無い人に良く見られます。たまに中国人でも、人がよく集まる大きな公園で手品を披露してお金をもらっている人がいますね。いずれも生活のために切羽詰っているのは明らかで、スペインでの就労許可を期待しながら過ごしている訳です。スペインでは失業率が10%なので、コネが無い限り外国人が就業出来る可能性は非常に低いと思います。それでも母国が厳しい状況である事もあり、僅かな期待を胸にスペインに留まっているのでしょう。ちなみにスペインではよくタバコを他の人にもらう事がありますが、これは普通の人でも行っていて、恥ずかしい行為ではないということです。

 いや、私は現在のところ大丈夫であります。仮に生活に困窮したら、クリスマスの夜は以下のスペシャル芸を披露したいと思います。

「オスッ、日本人のヨウ・ツチヤでありますっ。それでは日本の歌をスペイン語で歌います!ABCD海岸でー、カニにち○○こ挟まれたー♪」

 ・・・・その後現れたサングラス先生に、根性サーキット50セットおよび日本酒どんぶりイッキを命じられ、さらに体調悪化・・・・
2007年12月15日 (土) 多分4回目の契約更新
 マドリッドでの契約ですが、少なくとも来年6月までの延長が決まりました。もう少し説明すると、今までとは違う奨学金を受けることになり、この先半年以内に実績が残せれば、さらに2年延長出来ます。今までは論文が出なくてもマドリッド自治州レベルの奨学金で更新出来ましたが、今度は厳しくなります。と言うか、それが普通なのですが。。。現時点では、さらに2年延長するか帰国するかは半々の気持ちです。

 この4年間を振り返ってみると、最初の2年間はヨーロッパ共同体の奨学金で、次の2年間がマドリッド自治州のものでした。最初の2年間で実績が出なかったので、普通ならこの時点で契約更新はしません。実際に、早く日本での仕事を探すように何度も言われました。当時はまだ帰国は頭に無く、別のスペインの研究所への移籍も考えました。しかし論文を出すまでは現研究室で続けたいと頼んだところ、収入は減るが別の奨学金で契約出来るという事で残って来ました。契約期間が半年とか1年位なので、この2年間で数回更新した事になるでしょうか。日本の場合を含めても、博士研究員としては非常に運の良い環境だったと思います。

 博士研究員はポスドク(ポストドクター)の名称の方が一般的で、普通は政府などが出資する奨学金を教授が取ってきて研究員を雇うというシステムになります。スペインでは月1500〜1800ユーロが相場です。基本的には常勤に就く前の数年間のためのポストですが、欧米では特に外国人で何年も続ける人を見かけます。日本でも分野によってはそういう人がいるようで、期限付きでもまず契約して実績を残す事が大事、という考えでしょうか。それで所帯を持っている人もいますから、彼らにとっては満足なのだと思います。各国とも常勤職への道は日本以上に厳しい道のようです。しかし共同アパートに住んでいたイギリス人などを見ても、将来を悲観する様子は無く、現状の契約(かなり良いという事)を出来るだけ続けたいという気持ちがうかがえます。

 「ワシだったら、お前には500ユーロしか払わん。アパートなんてボロボロの5人部屋で良いし、服はジャージでも着ておれ。使い捨てコンタクトに新しいデジカメだ?寝ぼけるのもたいがいにせよ。」

 し、しかし、私もある程度ゆとりのある生活をしたいのでありますっ。
2007年12月8日 (土) 中国人理容店へ
 2週間ほど前の話ですが、中国人経営の理容店に行きました。マドリッド中心部のプラサ・デ・エスパーニャという地区には、中国人が経営する商店やネットカフェが立ち並ぶ通りがあり、一見中国人の街かと思うほどです。理容店のことは以前から知っており、カットと洗髪で8ユーロとかなり安いこともあって、今回初めて行ってみました。

 スタッフは全員中国人で、客がいないせいか座ってくつろいでいました。中の雰囲気はスペインのものとさほど変わりません。椅子に案内されて腰掛け、髪をとかしてもらっている時に、そのスタッフが一言。

       「この辺、あまり髪がないね」

 余計なお世話だ、コノヤラーッ!さっさと切れ、この田吾作―――!!!・・・・・という訳でまず洗髪から入りましたが、これがやたら丁寧で、そこまで洗わなくてもいいよと言いたかったです。カットはスペイン人の場合より丁寧で、ほぼ希望通りに仕上げてくれました。が、七三分けにすんなって何回も言っているのに、中国人スタイルにセットしようとする。「スペインには何年住んでいるの?」と聞くと、「40歳」とか答える。余計なタワゴトはぬかすくせに、肝心な会話が出来ません。まだ1年ちょっとしか住んでいないようなので仕方ないですが、周りはいつも中国人という環境なので、なおさらスペイン語は身に付けにくいと思われます。しばらくすると常連と思われるスペイン人女性が入ってきて、ペットのヤマアラシのような動物の赤ちゃんを見せてくれた時は、皆で大喜び。ノソノソと動く姿はネズミのようでした。

 この近辺には理容店とネットカフェが数軒あり、ネットカフェのパソコンは基本的に中国語表示です。設定を少し変えれば、日本語の読み書きも出来ます。いつも中国人がゲームをしており、私のように自分を高めるために利用している人はいません。いや本当ですってば。何はともあれ、理容店は安いので今後も使おうかなと思っています。

     「希望通りの髪型ねえ・・・・フフッ・・・・」

 な、何がおかしいんですか!そりゃ私だってね、身だしなみっちゅーもんがありますからね。(やけくそに)チッキショー、そんなら今度はベッカムスタイルにしてやるよ。そう、俺はベッカム様だ、ベー様、ベー様・・・・・
2007年12月2日 (日) 今季最終レース
 昨日は今季最終戦となる1500m、昼間の開催かと思いきや夕方からでした。1500mのスタートは6時で既に真っ暗、ナイターでのレースとなりました。もう12月とあって気温が低いのは勿論、アップ時には小雨がぱらつき始めます。それでもこの時期でも参加者は結構おり、知り合いのベテラン選手も何人かいました。

 1500mは女子がおらず男子の3名のみで、予定より20分繰り上げてスタート。今回は1周目80秒というペースを頭に置いており、それで5分20秒を切るという目論見でした。その1周目400mは83秒、照明が暗いせいかちょっとペースが上がりません。体感としては速すぎも遅すぎもせず。その後87秒・90秒と落ちて行き前との差もどんどん広がりますが、夜なのにサングラス着用の先生の罵声もあって、ラスト300mは泣きながら63秒と上げてゴール。タイムは5分25秒23と4月時を僅かに上回り、インチキくさいがシーズンベスト。寒さと雨は全く気になりませんでしたが、練習でも夜間時はペースがつかみにくくタイムが落ちるので、日中なら何とか5分20秒を切れたでしょうか。ペース配分としては、力を出し切れた方だと思います。

 今回の記録会は、60mや200mのスプリント種目は12月にもかかわらず結構参加者がいたのに、1500mが非常に少なかったのが意外でした。スタートが最後ということも影響したのでしょうか。まあ普段通りの人数でも、私の場合2周目以降はいつもビリ独走なので、タイムは変わらなかったと思います。ちなみに女子300mは一人で走っており、周りの声援を背に力走していました。

 という訳で今季のレースは終了、これから1ヶ月は食っちゃ寝生活に入ります。今年は腰痛と脚の疲労を気にしながらのシーズンになりましたが、何とか1年間乗り切れました。結果的には、例年と全く変わらないレース数をこなせましたね。そして例年通り来年1月から再始動し、2月のマドリッド選手権(1500mか3000m)をとりあえずの目標にしていきたいと思います。
2007年11月24日 (土) 最終戦まで1週間
 今季最終レースまで、いよいよあと1週間。今週のマドリッドはぐずついた天気が続き、水曜になって4.2キロ持久走を行いました。18分54秒と2週間前と同タイム、あと10秒位上げたかったですが、後半30秒アップと内容は良かったです。今日は好天に恵まれ、1ヶ月ぶりに自転車バンクで5000mペース走を実施。21分そこそこを目標にスタート、前半が前回より速いせいかかなり苦しくなりましたが、何とか後半上げて21分29秒。こちらももう少しタイムを期待していましたが、良い練習にはなりました。

 これまで1500mレースペースの練習は行っていないものの、3000m走やロード4.2キロ走のタイム・内容から見ても、9・10月の1マイルレース時よりはずっと良い状態です。来週末の1500mは悪くても5分20秒は切れるでしょうか。1周目を80秒で入っても大崩はしないと思うので、積極的な展開で記録を狙って行きたいと思います。
2007年11月17日 (土) 4年ぶりに論文発行
 先日、8月に投稿していた論文が受理されました。私としてはマドリッドに来て初めて出る論文で、何より研究室全体としても4年ぶりの論文になります。簡単に説明すると、肝臓には過剰に摂取した銅イオンを排出する機構があり、肝臓細胞内の蛋白質レベルでそれを解明したという内容です。今まで他のメンバーも、私より興味深いデーターを色々と出してきていました。しかしここ数年は教授が常にレベルの高い雑誌に投稿するので、なかなか受理されませんでした。

 今回の論文のデーターは私を含めて3人によるもので、量としては私が半分行ったという内容です。私は自分一人による論文を希望していましたが、より高い雑誌に投稿しようという教授の意向で3人のデーターをまとめることにしました。よって私もオマケではなく、筆頭著者という扱いになります。生理学系ではかなり評価の高い雑誌で、私自身は最初は受理は難しいと思っていました。仮に受理されなかった場合は、別の雑誌に投稿することになります。今回は本質的な内容には問題ないものの、一部の英語表記に間違いがあるので直す必要があります。私が最初に書いた内容は教授が跡形もないほど訂正しましたが、教授もやはりネイティブではないので仕方が無いかもしれません。ちなみに日本人の場合は、ほぼ100%ネイティブの添削者に依頼しますね。

 それでも厳しい目で見れば、4年で論文1本というのは物足りません。博士研究員である以上、1年に1本出す位のペースは普通に要求されます。よって例えランクの落ちる論文でも、継続して出していくのが大切になります。また海外で研究する場合、流れに乗って論文をどんどん出していくケースと、つまずいて途中で帰国するケースに分かれると思います。私はむしろ後者になる可能性が大きかった訳で、明日帰れと言われても文句の言えない立場でした。涙のホームストレートとか言っている場合ではなかったのです。それでも運良く契約更新を続けて論文を出せたというのは、経験だけではなく実績を残せたということで意味があると思います。そしてこれを機に、さらに実績を積んでいかなければいけませんね。・・・・・えっ、先生何でしょうか?

「もっと陸上に役立つ研究をせよ。とにかく、お前が400でベストを出さん限り絶対に認めん。いいや認めん、絶対許さん・・・・・(以下400回繰り返す)。」
2007年11月12日 (月) 今季2度目のクロカンレース出場記
 11日はマドリッド郊外でのクロカンレースに出場。3.6キロで無料ということで、練習の一環として走るにはちょうど良いレースです。今年1月末のクロカンレースのコースよりずっと綺麗で、起伏も少なく走りやすそうに思えました。このコースなら、タイムも14分台は行けるかなと予想します。

 レースは1.2キロの周回で行われていましたが、途中からスタート位置が約200m後方に変更。おそらくスタート直後の混雑を避けるために、最初の200mが広い直線路になるようにという配慮だと思います。私はベテランの部で出走、トラック3000mレースと同じ感じでスタートしました。最初の200mは40秒を切っており速過ぎ、ペースを落とします。その後は割と軽快に走れて、最初の1.2キロは4分55秒と悪くないペース。しかし2周目は40秒近くも落ち込み、非常に苦しくなります。最後の1周はジョグにしちゃおうかなーという思い・・・久々に妥協の女神様の登場か!が、サングラス先生のパンチと蹴りにはかないません。とにかく泣き走り全快で突き進み、周りの景色などどうでも良くなりました。何とかペースを少し上げて、最後はチビッ子・おばちゃんの歓声&先生の罵声が入り乱れる中でゴール。タイムは16分28秒でした。コースは平坦部が長く、登りが1箇所だけなので簡単そうに見えましたが、やはりロードとは違った起伏があり予想外にロスしましたね。もう少し前半抑えればしっかり走り切れたと思いますが、練習の一環としては今回のような展開も良かったと思います。

 今回は成人男子の部は6.2キロで、私も練習としてならそれでも良いかと思っていました。しかしこちらも多くのランナーが苦戦しており、細かい起伏があるとロードとは勝手が違うようですね。おそらく6.2キロを走っていたら、自責と後悔の念に駆られながら30分位かかったと思われます。それでも自然公園内のコースとあって、クロカンらしい雰囲気の中で走れたのは良かったですね。ちなみに7歳以下のチビッ子の部は440m(実際は300m位)で、皆でキャーキャー言いながらゴールを目指していたのは可愛らしかったです。何枚か写真も撮りましたので、後で紹介したいと思います。
2007年11月3日 (土) 炎の持久走コースベスト
 今週は木曜が祝日だったこともあり、3回「も」練習しました。先週土曜日の5000mペース走が21分42秒と予想外に走れたので、火曜日のロード4.2キロは18分台を狙いましたが、風の影響もあり19分12秒。木曜は自転車バンク3000mで12分25秒、ラストでかなりスピードアップ出来た内容で、持久力は徐々に上がっています。

 そして今日も雲一つ無いコンディションの中、ロード4.2キロ走を行いました。このコースを日中走るのは今年初めてで、夜よりペースが上がるだろうという予想の中でスタート、18分46秒のコースベストでした。前半が9分33秒と予想外に速いながら、後半も上げて昨年の18分50秒を上回りました。ただ昨年はタイムの出にくい夜に出したもので、このコースで5キロ22分15秒の時は4.2キロの通過が18分51秒でした。また今年3月には3000m走を12分7秒で走れた事を考えると、現在が近年のベスト状態というわけではありません。12月のレースで3000mを走るなら、11分37秒のベストは破りたいと考えているので、少なくとも4.2キロで18分30秒を切れるくらいのレベルは目指したいと思います。
2007年10月27日 (土) 髭なんか伸ばしてみました
 今週水曜日まで、実は2週間ほど髭を伸ばしていました。研究室で髭の話題になった時、私もちょっと伸ばしてみようかなと思ったのがきっかけです。スペインでは全体的に髭が流行っていますが、特に若い人は昔の軍人のように伸ばすのではなく、顎鬚を含めて1センチほど。無精髭よりは長いというところです。

 私は今まで毎日剃っていたので、最初の数日は違和感が大きかったですが、1週間ほどでかなり伸びてきました。当然周りの人達も気付いていました。先日の1マイルレースは伸ばして2週間近くの状態で、こんな感じになっていました(http://tsuchiya400m.sakura.ne.jp/barba.jpg)。そのまま維持するか伸ばしていけば良い感じだったのですが、毎日剃るのは面倒ではないので、結局数日後に剃ってしまいました。久しぶりに髭のない顔を見ると少し違和感があり、何だか急に若返った気分です。

 ちなみに周りの評判は悪くはなく、剃った方が良いと言っていた人は一人だけ。まあ私自身としては、改めて以下のように断言したいですね。出来れば読まずに、他のページへ行かれることをお勧めします。読んでしまった場合でも、拳の握りは緩めていただければ幸いです。

     「髭を伸ばさなくても格好良いんです。私は。」

 そう実感する今日この頃でございます。ええ。
2007年10月23日 (火) 今年は距離が長かった1マイルレース
 21日は今季2度目のロード1マイルレース。昨年は距離が1500mだったらしく、今年も同じ距離なら5分25秒以内では走れるかと予想していました。直前練習の持久走も今季最高タイムで良い気分で臨み、レース当日は少し寒いが無風で走りやすいコンディション。スタート地点が昨年より200mほど後ろにあり、最初は今回は距離が正確なのかと思っていました。

 私はベテランの部A(35〜49歳)で出場、年長グループのBと一緒の出走です。陸協に所属しているので選手権の方に申し込んでも良かったのですが、私の場合変わらないので、今年はベテランの部にしました。知り合いも何人かおり、ごちゃごちゃした中でスタート。何とか場所は確保して最初の200mは43秒・175mは35秒・・・・と思っていましたが、後で考えたところ実際それはありえません・・・・いずれにせよ距離が当てにならずレース中も混乱しそうなので、細かいラップは取りませんでした。レース展開としては、9月のレースよりは前半速めに入り、中盤も我慢して落ちてくるランナーを拾い、ラストで泣くという感じ。ラストは少し上がったくらいと思っていましたが、レース後にラップを確認すると1周目より2周目が5秒上がっていました。もっとも前半押さえ気味だった昨年は10秒上がりましたが。。。そしてゴールタイムは6分22秒と1マイルにしては異常に遅いものの、やはり昨年の1500m+200mで1700mのコースだったらしく、他の選手も昨年より1分位遅れていたようです。まあいずれにせよロードの記録なので、参考タイムですね。もう少し走れるかとも思いましたが、ロードの1.7キロの記録としてはこの位でも妥当でしょうか。なお優勝タイムは4分43秒で、全体でも5分を切ったのは数人でした。ちなみに私の順位はカテゴリー中24位で、真ん中より少し下くらい。昨年のタイムもベテランズAなら同じ位の位置なので、やはり全体的にも昨年のタイム+1分くらいですね。

 これで今年の1マイルレースは終わりですが、12月1日にトラックの記録会があるようです。とりあえずは持久走だけでも続けて、この記録会で1500mか3000mを走ってオフ入りしてもいいと思います。週2回でも走っておけば強化は出来るので、もう少し頑張ってみます。
2007年10月13日 (土) 強化は順調
 21日の1マイルレースに向けて、強化に取り組んでいます。日曜は前日の1500mトライアルの疲れが少し残る中で、ロード4.2キロ持久走で19分54秒。後半が上げられず苦しみ、やっと20分を切りました。火曜日も持久力強化の狙いで自転車バンク3000m、こちらも何とか13分切りの12分54秒。そして昨日は祝日で天候も良かったので、1日繰り上げて再度1500mトライアルを行いました。最初の370mは77秒とやや遅かったものの、その後余り失速せず、ラストも涙を切らして少し上げて77+82+84+84秒の5分29秒。何とか5分30秒が切れるだろうという予想通りで、何より前回の75+81+86+93=5分36秒より中盤以降がずっと良くなっています。来週も調整というより強化目的で練習を入れますので、レース時にはさらに上がっていると期待出来ます。レース展開も昨日のトライアルのような感じになればベストですね。ちなみに昨年のこの大会は距離が1500mだったようで、タイムは5分19秒でした。今回はそれを上回ることも可能な状態なので、以下の座右の銘を胸に積極的なレース運びで記録を狙って行きたいと思います。

         「1マイル みんなで泣けば怖くない」

 本当に楽しみですね。はい。 
2007年10月10日 (水) マドリッドで街頭インタビュー
 先日の日曜に、マドリッドの街中で街頭インタビューを受けました。たまたまバス停で待っていたところにテレビ局の人がおり、最初は何のインタビューか分かりませんでした。そして私のところにやってくると、業務用のわざとらしいリアクションで質問をしてきました。やり取りは以下のような感じです。

「スペインのナントカ選手が、中国でのF1レースでチャンピオンになりましたよ(現時点では2位なので、チャンピオンになれると言いたかったのか)!」
「そうなんですか?でもちょっと、実はあまりF1には詳しくないので・・・・」
「F1のチャンピオンだよ!」
「それは凄いね。」
「中国人の声援が後押しして、トップ(実際は2位)になったんだ。」
「そうですか。でも私は日本人なんです。」
「あっ、そうなのか、ごめんなさい!」
「いや全然大した事じゃないですよ。」

 終始笑いながらのもので、決して「ワシは中国人じゃねーって言ってんだろがー!」などとは言いませんでした。普段興味のないF1の話題なので、最初は私のコメントも余り気が効いていないと思っていました。なので、どうでも良いインタビューということでカットされるかとも思いましたが、教授がこの様子をテレビで見たという事。中国人だと思っていたら日本人だった、というのが実は面白かったのでしょうか。勿論他の人にもインタビューしており、彼らは上手いこと感想を述べたのだと思います。

 そういう訳で、街頭インタビューという形では人生初のテレビ出演をマドリッドで経験しました。私自身はその後テレビで確認出来なかったのですが、研究所の何人かにも私のインタビューを見たと言われ得意になっておるということです。おそらく夜のスポーツニュースで放送されたと思われ、多くの人が見ていたのでしょうね。
2007年10月6日 (土) 2週間後に再び1マイルレース
 2週間日本に帰省して、その後練習を再開しました。今週火曜日は自転車バンク3000mで13分12秒、今日は同じく自転車バンクで1500mトライアルを敢行し5分36秒でした。練習の一環として前半から速めに入ろうとスタートし、1周目の370mが75秒。その後ペースが落ちて行きましたが、後半潰れるのは承知だったのでこれは予想していた通り。現状ではレースなら5分30秒を切れるくらいで、先月のレース以来それ程落ちていないようです。前半のペースは記録狙いには丁度良い位なので、今後は中盤以降の持久力を強化し、2週間後のレースまであと10秒は短縮したいものです。ちなみに1500mのトライアルは3年前の4月以来で、この時は5分21秒でしたが、10キロレースで42分台を出した時だったので今より走力はずっと上でした。

 現在マドリッドは最高気温25度位で、日中なら半袖でもまだ大丈夫なくらいです。爽やかな秋空の下で爽やかな顔で練習する、というのは非常に良いものです。確かに。雨が降りやすい時期ですが、何とか練習を確保して記録を狙えるようにしたいですね。
2007年10月2日 (火) 1年振りに帰国
 先月18日から30日まで、休暇を取って日本に戻っていました。実家の郡山は東北地方ながら結構暑く、私がいた間も何日か蒸し暑い日がありました。マドリッドへ出発した日は成田はかなり寒かったものの、しばらくは気温の変動が大きい日が続くようですね。今回も色々な人と会い、29日にはよこうちさんと2年ぶりにお会いし、陸上の話題や新しく移られた職場の話しなどを楽しむ事が出来ました。

 日本では勿論日本食を沢山食べましたが、外食するとスペインより少し安いような気がします。種類の多さは格別で、缶コーヒーも色々な種類が出ています。それでもコーヒーの質はスペインの方が良いでしょうか。そしては久しぶりに日本の本を読んだりもしました。小学生の時に買って全然理解出来なかった芥川龍之介の短編集と遠藤周作の「沈黙」という本で、帰りの飛行機の中で読んでいました。今となってみると面白く読み進める事が出来て、やはり今までの自分自身の経験や知識を元に読んでいきますから、10年前20年前に読んだのとは全く異なります。またネットカフェを頻繁に利用しましたが、ネット難民という言葉があるように、対人関係よりインターネットに依存しすぎた日本社会がはっきり理解できますね。経営する方も快適過ぎるほどの環境を提供しています。ちなみに市民センターなどでは無料で閲覧のみの使用が出来るので、後半はこちらの方を利用していました。

 2週間弱の滞在でしたが、色々な場面で以下のように実感したのが印象深いですね。

        「サングラス先生じゃなくて良かった」

 いや本当に。
2007年9月20日 (木) ロード1マイルレース参戦記
 先週土曜日はロード1マイルレースに参加。この大会は3年連続の参加で、急な折り返しが6ヶ所あるものの平地でタイムが出やすいコースです。この1ヶ月そこそこ練習はこなせており、6分は切れるだろうということで臨みました。トラックレースでよく会うランナーと一緒にアップをしながら、スタートを待ちます。

 今回は昨年同様に、前半あまり無理せずにラストスパートという展開で行くことにします。1往復目が59秒とやや遅いが、6分を切るには問題なさそうな感じ。しかしその後はあまり余裕がなく、維持しているつもりで63秒前後のラップになります。ラストでスパートし54秒まで上げましたが、6分は切れず正式タイムは6分4秒0。前半からもう少しスピードに乗れないといけなかったですが、突っ込んでいても後半つぶれたと思うので、実質的にこれが現状での力のようです。昨年この大会で出した5分44秒のベストより大きく落ちて、しかもワーストタイムでしたが、まだまだ練習不足と言えるので今後また機会があればタイムアップは可能だと思います。練習で300m×10はこなせたものの、持久走のタイムが上がっておらず、やはりロードの4.2キロ走でも19分前後で走れないといけませんね。

 大会自体は例年通り盛り上がっていました。写真コーナーでの2006年版で紹介しているように、沿道には沢山の人が応援にやって来ます。私もチビッ子の黄色い声援を背に走りました。乗りの良いユーロビートもBGMで流れていましたが、私にはサングラス先生の罵声にしか聞こえませんでした。

 現在帰省しているので、次に出るとすれば10月中旬以降になりそうです。11月には10キロレースもあるようなので、練習が積めればそちらに出ても良いかと思っています。とにかく今回のレースも最後まで諦めず走りましたので、日本で私を見かけてもどついたり正座をさせたりしないよう心から願っております。
2007年9月9日 (日) 再びマドリッドの青空が涙でかすんだ週末
今週は2日続けて持久走を実施。火曜日はロード4.2キロで、後半で少しペースアップは出来たものの非常に苦しくなり19分34秒。目標の19分前半には届きませんでした。翌日は自転車バンクで行い、ビルドアップ5000mの予定でした。3000m通過は14分弱と無理はないペースのはずがかなり苦しくなり、4070m(1周370m×11)で終了。タイムは18分28秒でやっとキロ4分半ペース、そんなにひどくは無いものの持久走は昨年より30秒は遅いという現状です。その後以前の脚の痛みが少し出て心配しましたが、土曜日には消えていたので予定通り2分レスト300m×10を実施。先週が8本だったので今回こそはと気合を入れてスタート、それでも5本目辺りで負けそうになります。その後は先生のサングラスが不気味に輝く中で泣いて続行し、平均59秒台で10本クリア。これがこなせると1500m5分20秒位のレベルになるので、1マイルレースでも6分は何とか切れそうです。脚の方は今日になっても痛みは出ず筋肉痛がわずかにある程度ですが、ケアはしっかりしていきたいですね。

 持久走では苦しんでいるものの、300m×10をこなせたのは自信にはなります。来週はそれ程追い込まずに調整し、土曜日のレースに備えたいと思います。
2007年9月5日 (水) スペイン人のいない共同アパート
 今週月曜から、共同アパートにイギリス人のデュンケンが入ってきました。4月から住んでいるニコラウと同じ研究室の博士研究員で、今まで10年間国外で研究員を続けてきたということです。ポルトガルには7年住んでいたとあってポルトガル語は問題ないそうですが、スペイン語は分からないということ。勿論英語圏の人ですから、会話は英語で大丈夫です。海外生活が長いせいか、初日からリラックスして過ごしていますね。ちなみにデュンケンというのはスコットランド地方に特有な名前だそうです。

 現在のアパートには、今年に入ってからスペイン人が誰も住んでいません。1月にアルゼンチンからアンドレスが来て3月に帰国、その後フランス人のニコラウとグエンヌが入り、8月になってグエンヌが帰国して今回デュンケンが入ってきました。現在のアパートに住む場合は居住許可書が不要なので、短期研修のための一時滞在には丁度使いやすく、管理人もそういう人を対象に貸し出しています。昨年家賃滞納で去って行ったシルビア以来、学外の人に貸すのを嫌がっています。実際に入って来る人は私と同じく気さくな国際派知的人ばかりで(本当だってば)、シルビア氏のようにドンチャン騒ぎなどはしません。また掃除やゴミ捨てなども気が付いた人が行っている状態で、私も「掃除は新入りの仕事や!」とか「おーいニコラウ、何か上手いもん買ってこーい!!」などとは絶対に言っておりません。信じて下さい。

 ところでデュンケンとニコラウは材料工学系の研究をしていますが、工学系や物理系にはヨーロッパ諸国からの留学生が多いですね。私が持っていたイメージとして、スペイン・ポルトガルはフランスやイギリスに比べると科学分野は全般的に劣っていると思っていました。しかし同じ大学の物理系の研究室に日本人が留学に来たりしており、スペインの物理・工学系は評価が高いのかも知れません。ちなみに日本は現在科学分野の評価が高いものの、文化が大きく異なり英語が余り通じない環境のせいか、欧米人で日本に留学したいという人は少ないようです(アジアやアラビア諸国からは非常に多い)。

 このように現在のアパートは国際色豊かです。アンドレスが帰国して以来アパートではスペイン語を話しませんが、英語を忘れないためにも良い環境かもしれませんね。ちなみに前述のシルビアですが、彼女の郵便物が今でも届くので、時々連絡して直接渡しています。近くのアパートに住んでおり、1歳になった赤ちゃんも元気なようです。
2007年9月1日 (土) 復活・涙の2分レスト300mインターバル
 1マイルレースまで後2週間、練習の方も強度の高いものになってきています。月曜はロードで持久走を実施、5キロの予定でしたが中盤以降の苦しさが予想以上で4.2キロで終了。タイムは19分55秒と何とか20分を切りましたが、起伏のあるロードコースだとまだタイムが上がりません。今日は冬練以来の300mインターバル。2分レストで60秒10本を目標にスタート、こちらも4本目にして自分に負けそうになりますが、何とか8本はこなそうと続行。結局平均58秒台で8本と、1500mなら5分25秒位のレベルでしょうか。とにかく涙で美しいマドリッドの青空がかすみました。世界選手権でのスペイン選手の頑張りに刺激され、私も追い込んだ練習が出来たかなーと思っております。

 来週4.2キロ走で19分台前半、そして300mインターバルが10本こなせれば目標のレベルです。1マイルでは最低目標の6分切りは果たせそうです。本番ではホアン・カルロス・イグエロばりのスパートを見せられるよう、最後の追い込みを頑張って行きたいと思います。ちなみにイグエロ先生は今大会では1500m13位でしたが、3分31秒台のスペイン歴代8位(レベル高過ぎ)の記録を持ち、最近では一番の実力者として君臨しています。以前は髪の毛を立てていてスーパーサイヤ人みたいだったのですが、最近は何故か七三分けで非常に格好悪くなってしまっているのが遺憾であります。

「お前が七三分けにした方がエグいと思うのだが。エステベス氏と大して変わらんだろ。(参考・エステベス氏→http://www.sporting-heroes.net/athletics-heroes/displayhero.asp?HeroID=2208)」

  ・・・・・(布団をかぶってフテ寝、翌日まで起きない)・・・・・
2007年8月25日 (土) 古豪復活ののろし
 ランニング再開から2週間、昨日と今日の午前中はやや肌寒い位のマドリッドですが、長距離練習にはちょうど良い気候です。そして自転車バンクでの3000m走も、回を追うごとにペースアップしています。今週火曜日は13分32秒、そして今日は12分44秒。今日は1周目のペースが予想外に速く、かなり追い込んだ泣き走りになりましたが、13分台前半という目標を通り越して12分台に到達。予想より少し早く冬練時のレベルに戻って来ました。大阪での世界選手権も始まったとあり、私の気合も高まって参りましたね。来週からはロードでの5キロ走を開始し、そして可能なら6000mペース走なども行ってみたいと思います。レースペースのインターバルも、本番前に一度行えればベストですね。

「ところで、古豪っていうのはお前の事か?いつのどのタイムを指して、そう自称しているのだ?それからお前が応援してた奴だが、2次予選で消えおった。マラソンでは二人も棄権するし、スペインヤローは気合が足りん。」

 こ、今回も長いご指導有難うございます。私としましては、練習の3000mで12分台が出れば古豪復活かと存じております。それからスペイン選手も一生懸命やった結果ですから、決して空き缶を投じたりなさらないようお願い申し上げます。
2007年8月18日 (土) ランニング再開
 先週土曜日からランニングを再開しました。7月から続いていた脚の痛みは無くなりましたが、久しぶりという事でジョギングで様子を見ました。改修工事の終わった自転車バンクの3000m走で16分台のペースでしたが、走っている最中は問題なし。しかし終了後は脚の力が抜けるような感覚になり、翌日もかなりの筋肉痛。筋力が予想以上に低下しており、徐々に上げていかないといけない状態です。今週火曜日は後半少しペースを上げて15分弱、今日は中盤上げて13分54秒。持久力が落ちておりこのペースでも結構苦しいですが、12分台の冬練時レベルを目標に戻して行きたいです。
 
 9月15日のロード1マイルレースが当面の目標になります。折り返しがきついものの、ほぼ平地の走りやすいコースで、自己ベストの5分44秒は昨年このレースで出したものです。今年もそれに近いタイムが出せればと思っています。しばらくは現在のようなペース走で持久力アップに努め、可能ならレースペースのインターバルも実施したいと思います。
2007年8月11日 (土) スペイン短距離選手の決勝進出は日本人以上の快挙
 大阪での世界選手権に向けて、スペインでも以下のように46名の代表が決定しました(http://www.rfea.es/web/noticias/desarrollo.asp?codigo=1554)。ご存知のようにスペインは伝統的に中長距離が強く、今回も男女とも中距離はハイレベルです。加えて男子の競歩と円盤投げ、女子の高跳びにもメダル候補の選手がいます。一方で短距離は男子100mの一人だけで、リレーには誰も派遣しないようです。

 過去にスペイン人で短距離ファイナリストになったのは、ハードル種目を入れても、400mHで87年世界選手権8位入賞したホセ・アロンソが唯一のようです。スペイン人で初めて50秒を切り、30歳で世界選手権ファイナリストという、まるで高野進さんのような人です。現在ですら50秒を切れるスペイン人は殆どおらず(今季はゼロ)、彼の準決勝時の49.00は未だにスペイン記録として残っています。連盟のHPでも、記録達成20周年という事で特集コーナーがありました。なお東京での世界選手権ではサンドラ・マイヤーが女子400mで銅メダルを獲得していますが、彼女は87年にスペイン国籍を取得したアメリカ出身の白人です。純粋なスペイン人で世界に近かったスプリンターとなると、以下の二人ではないかと私自身は思っています。「お前は直接見て来たのかね?」というような書き方になっておりますが、スペイン人の心境になって彼らの活躍を振り返ってみました。

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カジェタノ・コルネットCayetano Cornet「スペイン版ススムタカノになり損ねた男」
 男子の短距離では、彼の400m44.96という記録が光っています。ちょうど高野進さんが活躍した時期と重なっており、89年にこの記録を出しました。翌年も45.00をマークするもその後は記録が下降し、世界選手権や五輪では準決勝に進めず。もう少しピークを維持していたらバルセロナ五輪の決勝で高野さんと一緒に走っていたかも知れない訳で、自国での勇姿を見せる事が出来なかったのは不運でした。

ダビッド・カナルDavid Canal「安定度は高野さんばりだった、そして今」
 私がスペインにやって来た2003年前後に活躍し、個人的に期待していた選手です。400m45秒01はスペイン歴代二位で45秒0台は他2回、200m20秒68とスピードも十分。1998年から2004年まで45秒台前半をマーク、2001年と03年の世界選手権では準決勝まで進み、20台中盤という年齢からもいよいよファイナリストかと期待させます。しかしその後記録が後退してしまい、ここ数年は47秒台で名前が消えかかっているのは至極残念。それでもカナルの復活を願って止まない今日この頃です。
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 スペイン人にとって短距離の決勝進出は夢のまた夢なのか。これはやはり日本人以上の快挙になる事は間違いないでしょう。もしそんな日が訪れたら、私は感動の涙を流しながら応援したいと思っています。
2007年8月4日 (土) ちゃんとした本を読んでいます
 現在陸上の方は休養中という事で、その代わりと言いますか読書をしています。昨年小学生向きのスペイン語の科学や歴史の本を買ってみたところかなり読めたので、今度は小説を読んでみようと思いました。しかし初めての内容となるとかなり難しく、繰り返して読まないと理解出来ず・・・・そこで日本語で読んだ事のある小説を探してみました。しかし今まで殆ど真面目に読書をした事がないため、探すのに一苦労。その中でオー・ヘンリーの「賢者の贈り物」を見つけたので注文しました。日本でもお馴染みの「最後の一葉」や「警官と賛美歌」などで世界的にも有名なアメリカの短編小説家で、本当はこれらが収録されている文庫本を探していましたが、あいにく一遍のみの薄い本しかありませんでした。それでもストーリーを思い出しながら、スペイン語ではこのように表現するのかなどと確認しながら読んでいます。これを読み終わったら、別に買った本も読んでみます。

 ところで研究室の教授や他の知り合いでも、日本の作家の作品を読んでいる人が結構いますね。三島由紀夫や村上春樹はスペインでも有名なようで、教授は谷崎潤一郎の作品を読んでいるそうです。私はいずれの作家の本も読んだことはありません。

「お前は一体、今までどんな本を読んで来たのだ?やらしいやつばっかりだろう!!そうでなきゃ、いちいち『ちゃんとした本』などと断る必要が無いのだ。」

 えっ、何それ何それ?そういう関係の本は全然知らないんですけど?それって自動販売機・・・・いや、何でもありません。
2007年7月29日 (日) 今季トラックレース総括
 早速ですが、今シーズンのトラックレースを振り返ってみたいと思います。例年通り、7月でスペインのトラックシーズンも終了しました。スペインでは12月から短距離種目が開催されるので、年間のトータルとしては日本と変わらないかも知れません。今季は100m12秒85・200m26秒53・400m59秒92と苦戦しましたが、来年以降に活かせる点も見出すなど意義のあったシーズンでした。

 昨年末に腰を痛めて冬練開始が遅れた今シーズン、1月上旬は痛くてジョグも出来ずウォーキングのみの状態でした。1月末から持久走は出来るようになり、2月末には3000mでセカンドベストを出すなど順調に回復してきました。4月に入り、とりあえずは6月のマドリッドベテランズおよびスペインベテランズ選手権を目標に短距離練習開始。ただ5月上旬の200mが27秒台と想像以上にスピード不足とあって、とりあえず5月は練習とレースをこなすことで量を確保しレースも内容重視という事にします。この時点で400mは60秒を少し越えていたレベルだったので、今季は59秒台が現実的な目標かと考えました。その後調整することでスピードアップを図り、実際に6月に入りマドリッドベテランズの頃はかなりスピードも上がっていました。しかしそれまでの疲れがスペインベテランズのレース当日に出てしまい、本番の100・200mはいじけ虫。そこから再び調子が上がって来て、最終400mレースで1年振りに60秒を切る事が出来、もはや脚がパンク寸前ながら100mでもシーズンベストで締めくくれました。7月始めの練習の300+200mと200m×3をしっかりこなせたのが決め手となったようですね。

 昨年までは、春先に既に好調でしばらく維持するも7月に入って調子を落とすという繰り返しでした。今年は大きな飛躍は無かったものの、疲労から来る脚の痛みが出てきている中でシーズン最後に調子を上げたと、いう点では今後に活かせる内容だったと思います。疲労も400mの後に200mを走ったりしましたから、オーバーワークが原因でしょう。また400mのペース配分に関しては、前半200mは例年よりやや抑え気味で(おそらく28秒台中盤)、現状ではそれが一番力を発揮出来る配分だったようです。60秒を切ったレースでも、無風であれば前後半差2〜2.5秒位の感覚でした。昨年のレースで前半抑えても後半あまり落ちずに通常と同じタイムが出た事があり、その経験を生かす事が出来ました。

 ところで最終レースは100mでシーズンベストの12秒85でしたが、この5年間は12秒台前半が出ていません。200・400mのためにも12秒4〜5は出したいと思っているのですが、実は公認ではベストの12秒35が唯一の12秒台前半で、マドリッドでは昨年の12秒66が最高です。最近は12秒台前半が大きな差に感じ、実際その位のランナーと一緒に走るとはっきり実感しますね。絶対スピードの問題か、フォームの微妙な狂いか、はっきりは分かりません。それでも今後も400m練習の中で記録を狙って行きたいと思います。

 秋は例年通りロード1マイルレースに参加します。そのためには脚の痛みを完治させないといけません。しばらくは完全休養し、練習をこなせる体調を取り戻したいと思います。
2007年7月28日 (土) シーズン最終トラックレース
 25日は今季最後のトラックレース。記録会100mの参加で、14日の400mレース後全く走らずに臨みました。続いていた脚の痛みは消えて、午後7時過ぎでまだ暑いながらも無風という中々のコンディション。しかしアップを開始すると関節辺りに痛みが出てきました。スタート前には左太腿が張って痛み出し、ストレッチで何とか和らげるも心配になります。何しろ10日休んでやっと走れるようになった訳なので、本来なら出場する状態ではありません。最悪途中棄権もありえましたが、最後のレースなので走ってしまうことにします。
 
 心配とは裏腹にレース自体は前半からスピードに乗って、前とは余り離れずに競り合いの中でゴール。後半少し力みがあるも失速は殆ど無く、12秒85(0.0m)と4月以来の12秒台でシーズンベスト。本調子でも12秒6位と考えていたので、この状態で良く走れたという結果です。ただレース直後に左脚の関節がかなり痛くなり、100mも納得出来る結果だったので続く150mは棄権しました。それにしてもこの10日間は全く練習出来ませんでしたから、残っていたバネで走り切ったようなもの。脚ももはや限界の中、諦めずシーズン最終戦でタイムが出せたというのは大きな経験になりました。

 今回も先日マドリッドグランプリが行われたトラックでの開催、この記録会を最後に新しい競技場に改築されます。46年の歴史があるトラック、古びた観客席の様子など写真撮影をと思っていましたがカメラを忘れてしまいました・・・一応協会HPの写真コーナーで全体の雰囲気が分かると思います(http://www.atletismomadrid.com/fotos/cierre_vallehermoso/index.htm)。また参加者自体は少なかったものの、知り合いも結構参加していました。短距離のライバル・ベテランのミゲルは100m・幅跳び・150mに参加、私と同組だった100mでは12秒台が出ず不満だったようですが昨年の脚の怪我から完全に回復したようで(昨年6月の体験談参照)、秋は1マイルロードレースに参加するという事。私と同じように、彼も400m練習の一環として1マイルを走っているそうです。今年は準備不足で400mは60秒を切れませんでしたが、来年は56秒台を目指すと意気込んでいました。

 このように今季最終戦は良い形で締めくくれました。7月は調子が上がっている中で脚が限界に達しているという難しい局面を乗り切り、結果的にスピードと顔がまずまず良かったシーズンと言えるのではないでしょうか。今後は2週間ほど休養して、秋の1マイルレースに向けての練習を開始したいと思います・・・えっ、さっきのセリフをもう一回言ってみろって?「今年はスピードと顔が良かったです」・・・もう一回ですか?おかしいなあ、別に変な事は言っていないんだけどなーっ。
2007年7月22日 (日) 由緒あるトラックでマドリッドグランプリ
 昨日は陸上のマドリッドグランプリが行われ、3年ぶりに観戦して来ました。3年前はオリンピック用にと造られた新しいスタジアムの開催でしたが、その後は普段記録会が行われるトラックでの開催。実はこのトラックはマドリッドで一番古く由緒あるもので、8月から大幅改修が行われるという事。タータンは何度か張り替えられてきましたが、確かにスタンドはぼろぼろで歴史を感じさせます。いつもは殺風景ながら、この日は大型ビジョンも取り付けられるなど華やかな雰囲気になっていました。ちなみに私には連盟から無料チケットが郵送されてきたので観戦は無料、直射日光の当たるバックストレートでの観戦でしたが、夜9時位には本当に涼しくなりました。

 世界の一線級も参加するこの大会、有名選手ではオビクウェル、400mHのテイラー、ムトラなどで、日本からも5人参加していました。ムトラは800mで優勝しましたが、未だに2分を切れるというのは凄いですね。トラック競技は世界選手権レベルとまでは行きませんでしたが、女子走り高跳びでは2m05が出てその後世界記録に挑戦するという場面もありました。結果的には失敗するも盛り上がっていましたね。またスペイン選手も大勢出ていましたが、短距離はアメリカ選手などと比べると差は大きく、日本と比べても劣っているのが分かりました。中距離になると健闘しており、800mではレイナが1分45秒台をマークしていました。

 今回は昨年の1マイルレースで知り合ったランナーと一緒に観戦、陸上の話で盛り上がりました。女子の幅跳びで7m15の記録が出た時、彼が「ドーピング無しでこの記録を出せると思うか」と聞いて来ました。私は断言出来ないと答えましたが、結構シリアスな目で見ているなと思いましたね。他にも1500mのスペイン第一人者エステベスが食っちゃ寝星人になっているとか、日本では聞けないような裏情報も知っていましたね。

 そして日本人選手が参加とあって、私も応援しました。幅跳びの池田選手とハードルの内藤選手は「頑張って下さい」という掛け声に気付いてくれました。400mH久保倉選手、1500m小林選手、3000m障害岩水選手にはレース中の掛け声だったので、聞こえていたかどうかは分かりません。大声で怒鳴るような感じだったので、聞こえていたと想像出来ます。記録はさておき、乾燥したマドリッドですから同時期の日本よりは走りやすかったかと思われます。

 いつもは閑散としているこのトラックも大いに盛り上がっていた様子。ちなみに先日の400mそして25日の記録会も同じ場所で、古いトラックとしては25日に私達が走るのが最後になります。何だか感慨深いですね。そんな思いを胸に、またカッコいい走りを見せておきたいと思います。
2007年7月16日 (月) 約1年ぶりの400m60秒切り
 先週土曜日は記録会の400mレース。7月に入って練習もしっかりこなせており59秒前後を期待していたレースでしたが、先週末からまた脚の嫌な痛みが残っていました。単なる疲労とは違うもので故障につながりそうな感じもしました。当日は何とか走れる状態だったので、とりあえずは予定通り競技場に向かいます。

 脚は軽いものの少し違和感ありで、アップでの動きは今一つ。少し迷いましたが、25日もレースがあるので最悪練習の一環にはなるようにしっかり走ろう、と出走を決意しました。私は一番内側のコースからスタート、前半は追い風に乗って楽に進めます。中盤でペースが落ちかけてきている前の集団をしっかり追いかけ、ラスト100mは向い風が吹き付ける中で粘り、理想的な形でゴール。内容は今季一番でしたが、前とは少し離れていたためタイムは自信がありませんでした。間もなく59秒92と発表があり、ぎりぎりながら昨年6月以来の60秒切りが出来てほっとしました。結果的に、前半無理をしなかったのが向い風の後半で粘れた大きな原因だと思います。レース展開も練習の200m×3で予想していた通りで、ゴール前の止まり方から見ても良いペースで走り切ったと言えます。大体28秒5+31秒4くらいのラップでしょうか。勿論例年に比べれば本調子ではないのは確かですが、やはり今年も60秒を切れたというのは気分がすっきりしますね。

 今回は各年代の選手権終了後とあってか参加者が少なく、男子400mHは一人で走っていました。そんな中で知り合いも何人か来ており、私と同組の400mを走り終えて倒れていたランナーが「死んでいるよ」と言っていました。この場合死ぬという意味の動詞をそのまま使うので、日本語と同じ感覚なのだと思いました。また風が強い場合は「空気が強い」という言い方をします。もちろん風という単語を使っても通じますが、空気が強いという言い方の方がよく耳にしますね。

 25日が今季最後のトラックレースで、200mでシーズンベストを目指そうと思います。400mでもさらに記録アップが期待出来そうですが、今季は200mでまだ満足出来る記録が出せていない事もあり、最終レースに賭けてみます。力を出し切れるように、まずはしっかり体調を整えて臨みたいと思います。
2007年7月7日 (土) 過去2年間で一番の練習
 来週末の400mレースに向けて最後の追い込み。元々はこの週末に200m×3を予定していて、平日は軽めの練習のつもりでした。月曜の練習も、ロードコースで長めのレストで400mペース200m×2のつもりでスタート。1本目が28秒8と意外と走れ、しかも運良く人通りも少なくなったので、週末メニューを繰り上げて実施。疲労が残っていて向い風という中でしたが、これが過去2年間で一番と言える練習になりました。それぞれ28.8・29.6・30.6(レスト200mW)と、タイムの落ち方・ラストのもがき具合共に非常に理想的でした。つまりレースで最も力を出し切れるペースで走ったという事で、28.5+30.5=59.0秒も期待出来る状態です。また終了後に今季最大のケツワレ酸欠大魔神が登場し、この1セットで完全に追い込めたというのもまさに狙い通り。昨年はオーバーペースだったりスピード不足だったりで上手く走れなかったメニューですが、ここに来て非常に良い練習が出来たのは大きいですね。今日の練習は200m×2を200mWレストで行い28.7・29.2、その後長めのレストで1本追加し29.5と追い込まず調整のような感じ。レースペースはしっかり確認出来ています。
 
 このように調子が再び上向きになってお り、ここで無理をして体調を崩したのではまた自責と後悔の念に苛まれると思います。体調を整えて臨めば記録は出る、と信じて14日のレースを迎えたいです。